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カーシェアリングの発祥

スイスのマッターホルンの山と湖と草原

カーシェアリングの発祥

カーシェアリングは1948年のスイスで発祥しました。当時の車は非常に高価で、一般の人には高嶺の花でした。そこで、何人かが共同でお金を出し合って、割り勘で車を買おうとする動きが生まれました。

この動きから、1台の車を複数の人が共同購入して使用する協同組合が生まれました。このような協同組合は、「セファージ」と称され、これがカーシェアリングの起源となりました。

しかし、経済発展により、車の値段も下がり、誰でも車を買えるようになりました。そこで、組合に加入して共同購入しなくても自分で車を買えるのならばと、多くの人が組合に加入しないで個人で車を購入するようになり、カーシェアリングも一時下火になりました。

カーシェアリングの新しい時代

ところで、1980年代に入ると、スイスではクルマ社会の進展により都市部に大量の車が流入し、環境問題や騒音問題、また、街の多くの部分が道路や駐車場に占有されるなどの問題が発生しました。

そのため、人々は都心から郊外へ移転して都市の中心部の商店街の荒廃が進み、現在の日本で問題となっているようなシャッター街化現象が起こりました。これもスイスで大きな社会問題となりました。

新しい時代のカーシェアリング組織

このような状況下、スイス政府は、都市部への車の流入に対する大規模な規制に踏み切りました。こして同時に公共交通機関の充実を推進しました。そのような政府の動きに合わせるようにして、従来の経済的理由によるカーシェアリングではなく、全く新しい発想のカーシェアリングが生まれました。

その1つはスイス・スタイン市のATG(自動車共有組合)です。この組合の目的は、カーシェアリングを進展させることでマイカーの利用を減少させ、環境への負荷を軽減させることを目的に設立されました。

もう1つは、スイス・チューリッヒ市のシェア・コム社です。この会社は、カーシェアリングなどの共同利用サービスを提供することで、市民に対して所有から利用へと発想の転換を促すことを目的に設立されました。

この両社は、1987年という同じ年に設立され、設立の目的は若干異なるものの、カーシェアリングが資源の無駄づかいを抑制し、環境保全に貢献するであろういう点では一致しておりました。

現在のカーシェアリングの基本となる不特定多数が車を共有するというシステムは、この両社からはじまりました。環境保全に貢献することが目的なので、従来の車の共同購入を目的としたカーシェアリングとは異なる、新しいタイプのカーシェアリングの出現でした。

スイス政府のカーシェアリング事業への介入

1997年にスイス連邦政府は、エネルギー政策の一環としてカーシェアリング事業に介入しました。政府の主導で、ATGとシェア・コム社はスイス・モビリティ社として統合されました。そして、統合後は、スイスでは、公的サービスとしてカーシェアリングが一本化されて利用できるようになりました。

スイスにおけるカーシェアリングは、政府により公共交通機関を補完する役割を与えられて整備がすすめられました。ですから、駅ごとにカーシェアリングの拠点が設けられ、また、公共交通機関とカーシェアリングの共通パスが設けられるなど、利用者の利便性を高める工夫が早くから導入されました。

スイス・モビリティ社のカーシェアリングは、スイス政府が全面的にバックアップを行い、そのせいもあって急速に発展していきました。公共交通機関の整備と歩調を合わせてカーシェアリングの整備を行うことができたことが、急成長の大きな要因となりました。

スイスの現在のカーシェアリングの状況

2010年現在、スイスでの会員数は約94,000人、ステーション数は約1,200箇所、保有台数は約2,400台、スイス国民40人につき1台の割合となり、人口当たりのカーシェアリング普及率は1.22%と世界ダントツの1位です。

ちなみに、人口当たりのカーシェアリング普及率の第2位はカナダの0.21%です。日本の普及率は0.1%にも達していません。スイスでの普及率は日本のそれの10倍以上となります。

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